心の病気、精神疾患と共にいきていく

先日の満月はさぞうつくしく、のぼりはじめた月は徐々に色を変え、その光は黄色いような青いような。

また少し放置していたここ。

前回かいてから、こんなに変化があるとは。

冬が苦手です。　ブリスベンの冬なんて日本の冬と比較すると冬ではないといわれそうなぐらいですが。

雨が降らず、空気が汚れていて、乾燥していて、春はきた。　山火事があちらこちらで起こり、私は落ち着かない。

心を清めてくれる雨の音はいつきけるのか。　　雨のにおいが懐かしい。　

６月の終わりに Rain will ease という曲を仕上げているときに降り続いた雨音は録音に入り込み、その曲を聴くたびにタイムトリップできるので繰り返しきいています。　自己満足の極みと言ったところでしょうか。

背がぐんぐん伸びている息子は１５歳に。　家族でお祝い。　　日本にスカイプをして。

その８月。　やるべきことができない。

ピアノの前に座っても。　パソコンを開いても。森を散歩しても走っても。ヨガにいっても。　サウナで汗をかいても。　おいしいご飯を友達と食べても。息子と映画をみても。素晴らしいピアノ演奏を聴きに行っても。　

できない。

振り返る。リフレクション。

５年ほど前に診断された心の病気、双極性障害、いわゆる精神疾患。　　そこから私の人生は変化。変わったというより変えざるを得なかったというか。

まずは受け入れる、出来ることをする、生活のリズムに自分が必要な休息をとる、できないことは後に回す。　

そんなこんなも数年すると慣れてくるわけで、酷い落ち込み用の時は過ぎたように思えるし、大きな躁はない。

でもなくなることはなく、躁と鬱が酷くならないように暮らす、これしかない。

それが一年はんほど落ち着いていたのに、どうもそわそわする。やはり冬。

二年ほど前にその原因となる幼少時のトラウマ体験についてドクターと話すと、これがやはりトリガーでこれまでの奇行ともいえるかも知れない行動が、だからだったのね、とパズルのピースがぴったり合うように、音も聞こえたかもしれないぐらい、納得。　気が付かずにサバイバルゲームっぽく人生を私は生き抜いてきたのだと。　　この女性ドクターは感謝しきれないぐらい助けていただいた。　

心配事はなくならないけれど、少なくする。　規則正しい生活。　

出来ることはやってきたはずなのに、今まで出来てたのに、いざというときに出来ない曲をかくという作業。

しばらく考えた結果、同じ女性である音楽家に相談。　素直に伝えるということ。

これは自分の願いが受け入れられないというリスクや恐れを伴うわけで、返事が来るまで少々気が気でならなかったというのが正直なところですが、マイノリティに優しい人も多いここ、特にアート産業にいる人はそうであるのが普通となっているので、いい方向に向かいだしました。

８月、落ち着かないのと、酷い風邪で一週間ピアノレッスンをお休みした以外は普通に仕事が出来て、風邪をひいて一週間もお休みすることなんてこの国でピアノを教えだして一度もなかったので、振り返れば精神疾患を持ちながらも、仕事と家庭をまわしてこれたかな。　

生徒たちがそれぞれのペースで成長し、ピアノと向き合い、音楽を作り、ピアノを弾き、中学生になり学校の宿題やテストで忙しくて練習してなくてもレッスンに来てくれて音楽理論やったり、３歳から人生の大先輩までの個性の豊かな生徒さんたちと出会えてみなさんの人生の一部となれることは幸せなことで。　　音楽を目指す、愛弟子と呼べる存在までも出来て。　　これは精神疾患と診断されず、夜に多い演奏の仕事をメインにしていたらありえなかったことかも。　　

私が必要としていた、シングルマザーで精神疾患の私の求めた、というよりも必要だった安定というのは金銭的、心、身体、すべてに対してで、それがあるから息子がやりたい勉強ができ、やりたいスポーツが出来て、日本の家族に会いに連れていくことができたのは本当にありがたいこと。　

しゃべり過ぎると病気だといわれ

しゃべらないと病気だといわれ　

どっちもあたっています。　どっちをしてもどっちをしなくても病気です。　

私が出来ることは共に生きていくこと。　

そして同じマイノリティの人を少しでも理解することができ、別のマイノリティの人々たちにも優しく、生きていくこと。　

ありがとう。

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

これを書き始めた午前中。　

夕方になんと恵みの雨が。　

こんなに雨を心待ちにしたこと、あったかな。　

雨の音。　雨そのもののにおい。　　雨に打たれた土のにおい。　

今日は穏やかに眠れそう。　　　素晴らしい音楽を聴いて、美しすぎて大粒の涙がでた、そんな日でもあり、それが、雨が、心の持ちようや息子と大声で笑ったこと、break through かも知れない。　　あくまでも　かも。　

ありがとう。

大粒の’涙がでた一曲はこちら。

https://youtu.be/eoDyJev_Wck